2020-03-27T21:46:10Z #001 竹内農場

#001 竹内農場

茨城県龍ヶ崎市の鬱蒼とした森の中に静かに佇む赤レンガ西洋館、竹内農場。元内閣総理大臣だった吉田茂の実父である竹内綱が建造し、赤レンガ西洋館の名で親しまれ兼ねてより地元住民を中心に保存の声が挙がっていた。現在はNPO法人・龍ケ崎の価値ある建造物を保存する市民の会が保存に向けた活動を活発化、歴史的にも貴重な建造物。

スゴログ 竹内農場
茨城県│竹内農場

調査:2009年12月
再訪:2010年05月 / 2011年10月
公開:2009年12月27日
名称:正式名称→竹内農場(竹内明太郎別荘) / 通称→赤レンガ西洋館
状態:2017年よりNPO団体による保存活動が継続中

初公開から長い時間が経過し、掲載情報も古くなったので不用な部分も含め既に常用化した大部分を削除して再構成致しました。



追跡記録

2017年05月

民間の太陽光発電施設の設置工事に伴う周辺整備にて龍ヶ崎市の市施設整備課が樹木伐採整備を行いました。旧竹内農場の周辺は草木が刈り取られ、建造物以外は整地されています。

予てよりこの建造物の保存に尽力されてきた「NPO法人・龍ケ崎の価値ある建造物を保存する市民の会」が太陽光発電施設の建設に反対しており「文化財として指定し、ランドマークを中心に緑地公園化出来ないか」を模索しています。同団体は各種イベントなどで周辺住民に理解を求めており、その活動内容は以下よりご確認頂けます。

NPO法人 龍ケ崎の価値ある建造物を保存する市民の会
http://tatemono-hozon.net

アーカイブ - 朝日新聞の取材 / 2017.05.22 更新
http://archive.is/gyrcp

アーカイブ - 朝日新聞デジタル / 2017.08.31 更新
http://archive.is/KmpEx

2017年09月

スゴログ 竹内農場

NPO法人龍ケ崎の価値ある建造物を保存する市民の会が企画した竹内農場でのイベント「映像で観る旧竹内農場西洋館」が行われ、一帯を撮影したドローン映像や保存に向けた取り組みなどの講演会がありました。この地は現在郷土史としても注目されており、今後も追跡報告を行う予定です。

NPO法人龍ケ崎の価値ある建造物を保存する市民の会
http://tatemono-hozon.net

2019月10月

この建造物に関する最新情報としては少々遅くなりましたが2018年07月、竹内農場の歴史に関する大幅なアップデートがありました。調査及びそのレポートを纏めたのはこの竹内農場の保存活動を行っている「NPO法人 龍ケ崎の価値ある建造物を保存する市民の会」です。

切欠は2015年、所有者だった創設者の竹内家から太陽光発電施設へ敷地の名義が変更されたことでした。これは既に2017年に当レポート上で追記した内容ですがその追記から更に詳細な情報がこのNPO団体から齎されました。

最後尾にまとめましたので是非ご覧下さい。



スゴログ 竹内農場

長期間放置されたレンガ造りの廃墟

墓地に囲まれた鬱蒼とした森の中に静かに佇む赤レンガ西洋館、「竹内農場」。俗称では「龍ヶ崎の赤レンガ西洋館」などとも呼ばれ、一部では心霊スポットの様に扱われていたが貴重な歴史的建造物でもある。建造されたのは今から1世紀近く前の1920年、所有者は吉田茂の実父だった竹内綱だ。

姓が違うのは竹内綱の親友で在った吉田健二の養子として出され吉田姓に改名した為だ、建築されてから10年と経たない内に手放され、同時期に建設された関連施設は売却されたがこの赤レンガ棟は複雑な経緯が在って取り残る事となる。

今回はその経過をお伝えしたいと思う。

スゴログ 竹内農場

冒頭での説明通り、約10年間の運用を以って早々と売りに出されてしまったこの施設。1931年には殆どの関連する企業や人間が離れ廃墟への道を辿るのだがその歴史が何とも奇妙で面白い、竹内農場を記録した文献「龍ヶ崎・牛久・取手の目で見る100年の歩み」を読むと建設に至る背景や稼働した数年間の来客者などに思いを馳せる事ができた。

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ここで長らくと説明するより詳細に纏められているサイトをご紹介したい、リンクは個別ページだが調査されているのは追跡記録でも団体名を記載した「NPO法人 龍ケ崎の価値ある建造物を保存する市民の会」だ。

旧竹内農場西洋館
http://archive.is/qY3jl

偉大なる竹内明太郎
http://archive.is/nsJzR

スゴログ 竹内農場

現在はご覧通り、地盤と外壁を残すだけで自然の侵食を大いに受けている。しかし建造から100年近くが経過している事を考えれば当時としても非常に強固でデザインも西洋文化を取り入れた素晴らしいモダン建築だったに違いない。

近年は心霊スポットとして雑誌やテレビ、ネットでも取り上げられてしまい、一時期は近隣住民から早期の解体が求められた事も。しかし廃墟写真家の方達が美麗な写真を沢山撮影したおかげで美観としての注目度が急上昇、その後歴史的価値を見出した複数の団体が保存に乗り出したと言う経緯がある。

先程の「NPO法人龍ケ崎の価値ある建造物を保存する市民の会」の他にも同じ地区で活動されている「赤レンガ保存実行委員会」もこの建造物に着目しているそうで。

赤レンガ保存実行委員会
http://akarenga-hozon.org

この物件の机上調査時、龍ケ崎市から資料を提供して頂いたのだが内容としてはウェブ上に掲載されている数多のレポートと大して変わらなかったので割合させて頂きます。

スゴログ 竹内農場

大きく変化した建造物の歴史的価値

この竹内農場の調査レポートを再構築する上で当初のレポート(2009年当時)よりかなり詳細な調査報告がNPO団体により行われた事で当ページからは大分情報を省いた形となった、当時はウェブ上に情報も少なくて行政や地域の方のヒアリングが生命線だったが現在は保存に向けた活動の一環でかなり詳細な当時の状況や歴史的な経緯を追う事が簡易と成った。

これはとても幸運な事だと思う、そして現在(2018年)においてもその活動の輪を広がっており、本年2月にはこの竹内農場の元住居者との懇談会も開催された様だ。

西洋館元居住者との懇談会
http://archive.is/QKcKI

スゴログ 竹内農場

朝日新聞の取材
http://archive.is/NKHwg

上記のリンク先を是非ご覧頂きたい、これは2017年5月に市施設整備課によって、雑木林が刈り取られた状態を撮影したものだ。約100年の歳月で薄暗く茂っていた森はその姿を消し、随分とは様変わりした姿に。

更に今後、この敷地内での企業間問題や保存に対する住民の声などが反映されて行政が管轄する保存建築物になる可能性が大きくなって来た訳だが景観と言う点に関しては以前の方が実はより史実に基づく姿だったのかもしれないと思う。

スゴログ 竹内農場

1984年に蛇沼付近を空撮した写真、2018年現在としては30年以上前と成りますが既に森に覆われた廃墟だったようです。天井は抜け落ち、調査時の2009年と同じ様な景観が見れた事でしょう。

調査レポート再構築による内容の簡易化で少々味気ないですが今後もこの竹内農場に関しては追跡記録を残して行くので宜しければお付き合い下さい。



2019年10月 追記

初来訪から10年、この竹内農場は当時雑木林と藪に囲まれた人目につかない廃墟その物でした。2015年に太陽光発電のソーラーパネル設置の為に土地の所有権が竹内家から太陽光発電施設へ移されたのを切欠に現NPO法人 龍ケ崎の価値ある建造物を保存する市民の会が行政を絡めての保存調査を理由に三年間借り受けます。

これにより施設工事は現状中止されており、その間に民間含め保存活動が活発化。またそれらに伴いこの建造物の詳細な調査がされ、今回の追記内容へと繋がりました。それでは新しく齎されたこの竹内農場の歴史をご紹介しましょう。



過去、恐らくこの竹内農場を取り扱ったサイト(歴史系・地域民俗学系・廃墟系)はどれもが竹内綱が所有者だったと表記して来ました。ところが実際は少々異なった様です。

確かに購入したのは竹内綱その人でしたが土地の名義は父・綱の四男だった直馬、同じく綱の七男・廣、そして長男だった明太郎の次男だった良三の三分割登記だったのでした。

その後父の事業を引き継いだ綱の長男・明太郎がこの地に竹内鉱業の付属施設として農場を開きます、つまりこれが竹内農場のはじまりということですね。

竹内明太郎 - ウィキペディア
http://archive.is/vhDjy

ここから先は詳細なレポートをまとめた「NPO法人 龍ケ崎の価値ある建造物を保存する市民の会」の「旧竹内農場西洋館(竹内明太郎別荘)」の項をご覧下さい、龍ケ崎市の本格的な調査によって宿毛市の資料館に保管されていた竹内明太郎の手記から実に多くの新事実が明かされました。

旧竹内農場西洋館(竹内明太郎別荘)
http://archive.is/gGm9Q

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参考・協力

龍ヶ崎市文化・生涯学習課
NPO法人龍ケ崎の価値ある建造物を保存する市民の会
龍ヶ崎・牛久・取手の目で見る100年の歩み
朝日新聞デジタル



レポートの場所



注意点

該当区域は管理されており、無断での進入する事は法律で禁止されています。また登山物件においては事前にルートの選定、充分な予備知識と装備で挑んでおります。熟練者が同行しない突発的な計画に基づく行動は控えて頂く様、宜しくお願い致します。

スゴログの装備とその使用方法など
https://www.sugolog.jp/p/blog-page.html



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